Q. ミキサー車とは?
ミキサー車とは、生コンクリートの品質を保ったまま、工事現場まで運搬するための貨物自動車で、主に建設業界で使用されています。正式名称はレディミクスト車といい、トラック・ミキサーとも呼ばれています。荷台の部分が生コンクリートを入れるための円筒状の容器であるミキシングドラムになっています。
生コンクリートは、大部分がセメントで、砂や砂利といった骨材と水で構成されています。これらの材料は比重が異なるため時間が経過するにつれ、車の振動で重量がある物質は沈殿し、計量の物質は浮上してしまいます。それを避けるために、輸送中でもミキサー車のドラムを回転させて、常時生コンクリートが分離しないようする必要があります。ミキシングドラムの内部に搭載しているミキシングフレーム(ブレード)と呼ばれる渦巻き状の羽のような銅版がついていて、ミキシングフレーム沿いに生コンクリートが移動して、上部まで達すると下に落ちる攪拌という方法でかき混ぜます。攪拌を繰り返し、かき混ぜることによって、生コンクリートが分離することなく現場まで輸送することができます。また、ミキサー車には様々なサイズがあります。現場や搬入路、生コンクリートの量等に応じて、2・4・5・7・8・10tと豊富なサイズが展開されており、最適なサイズを選択することができます。
ミキサー車の仕組み
1. ダイレクトドライブ式
ドラムを常に一定の速度で回転させる動力源は、フライホイールPTOであり、PTOとはトラックのエンジンの後ろに搭載しているフライホイールから動力を取り出す仕組みであり、その動力を利用して油圧ポンプを回し、ドラムの根元にある減速機を経由してドラムを回転させます。この回転方法をダイレクトドライブ式といいます。生コンクリート投入の際には、ホッパーと呼ばれる上部の投入口から入れ、排出時は運搬時とは逆回りに回転させてシュートと呼ばれる生コンクリートを流す雨どいのような設備から排出します。また、ミキシングドラムの回転速度や排出速度、角度等は、必要に応じて操作レバーやリモコンによって調節することができます。